2013年10月。外宮の古殿地の中は、白光の神界でした。
まぶしすぎて何も見えない。
心臓もドキドキです。
御正殿(神様をお祀りする中心部)の正面へ進み、全身全霊でご参拝しました。
そして、しっかりしっかり、 御正殿を見つめながら、ひたすら「ありがとうございます」と、お礼を述べました。
頭の中真っ白。
あまりの感動に泣きそうになりながら、
「一緒に来てくださったご先祖様。御正殿です。神宮の御正殿です」と、背後にいてくださるに違いないご先祖様達にむかって、語りかけていました。
御正殿はもちろん、足元の白い玉石からも頭上からも、白い光があふれていて、自分が溶けそうでした。
やがて、前方(本来、ご参拝客が参拝する側)から係の方が、「もうそろそろ・・・」みたいな感じでのぞかれました。
そうか、長居はできないんだ。
「ご先祖の皆様、よろしいですか。もう大丈夫ですか。そろそろ行かなければなりませんよ」と声をかけ、ゆっくりゆっくり正面(出口)へ進みました。
外に出たとき、御垣内参拝のときに私の前後にいらした他の参拝客が、誰も古殿地にご案内されていないことに、初めて気が付きました。
あれ?私だけ・・・。
どうしてだろう。
私の何が、ご神職さんにそうさせてくれたのだろう。
守衛さんが仰った通り、「日別朝夕大御饌祭」の時間帯だったので、後ろの方は仕方がないかと思います。
たまたま、かもしれません。
ですが、ご神職さんは神様のお取次ぎのお役目ですから、神様がそうさせてくれたのかもしれない、と思っています。
もし、神様が歓迎してくださり、中へ通してくださったのなら、何が良かったのだろう。
私がしたことは、
出発前に地元の氏神様をご参拝し、伊勢の神々へのお取次ぎをお願いした
前日の夜、スーツとシャツにアイロンをかけ、靴を磨いた
出発の朝、「ご先祖様、ご一緒にまいりましょう」と、ご先祖様に声をかけた
習わし通り、二見興玉神社からご参拝した
外宮に向かう朝、ホテルでもう一度靴を磨いた
思い出せるのはそんなことです。
でも心を込めて、一つ一つ丁寧にしたことはよく覚えています。
その気持ちが神様に通じたかも。
神社のご参拝は出発前から始まっている、と思っています。
ご先祖様の後押しもあったかもしれません。
神様は、参拝する人の「姿勢」を見ると言います。
こうした行為と姿勢を見ていてくださったので、時間外に、古殿地参拝の奇跡をくださったのかもしれない、と思っています。
神社が好きという方に、時々この話をします。
あるとき、話した人にこう言われました。
「それは、神様の宝くじに当たったようなものじゃないですか!」
そのとき7年くらい経っていたんですが、改めて自分がいただいた奇跡の大きさを感じて、また感動がよみがえりました。
日々、たんたんと神様祀りをしながら暮らしていると、神様は時々そういうギフトをくださる。
それは私だけでなく、誰にでもそう。
奇跡のようなことを頂くことがある。
神様のギフト。
一生忘れることはありません。
<続く>