三峯神社にはお犬様(オオカミ)をお祀りしているお社が2つあり、ひとつが御仮屋(おかりや)神社、別名遠宮。
そしてもう一つ、近宮があります。
遠宮では毎月19日の夕方、神職が赤飯(あかめし)と呼ばれる小豆飯をお供えし、何体のご眷属様が「ご眷属拝借」の形で日本全国に貸し出されているか、具体的な数字を読み上げて報告する『御焚上神事(おたきあげしんじ)』が行われます。
いわばお犬様たちの出張報告です。
その時間に遠宮にいれば、ご神事を見ることができます。
「令和何年何月は、〇〇体のお貸出しがありました」的な報告がご神職によってなされ、なかなか興味深いというか、非常に特殊です。
対して近宮は、三峯に留まって山と神社を守っているお犬様たちを祀っているお社です。
こちらでは毎月10日に『御焚上神事(おたきあげしんじ)』が行われますが、ご神職さん達だけで行われるもので、一般の人の同席は叶いません。
近宮は、以前は参拝できたのですが、今はおやしろの周辺含めて「関係者以外立ち入り禁止」となっています。
境内図や神社サイトにも記載はありません。
たった1冊、『さきたま文庫ー三峯神社』の中の地図に、近宮の表記があります。
「ご眷属拝借」というもの自体が非常に珍しいですが、出張するお犬様と留守を守るお犬様がいて、役割分担されているというのが、とても興味深いです。
「ご眷属拝借」、私はこわくて(恐れ多くて)、とてもできませんが…
<続く>