初めて富士山に登るとき、様子がわからず、ついつい荷物が多くなりがちです。
出発前にガイドさんにしつこく言われたのが、「片手で軽々ザックを持てる重さにしてください」でした。
体重50Kgくらいの女性なら、4~5Kgくらいだと思います。
5Kgのザックを背負って、何時間も体を上へ上へと持ち上げていくのは、ものすごい体力(エネルギー)が必要。少しでも軽く、が登山の基本です。
初めての富士登山は、「お金で解決できることは、お金で解決する」というのが、正しい考え方です。
山ではいきなり雨が降ることも当たり前。天気が悪化すると、重たい荷物は本当に辛いです。
出発前に、ぜひ荷物を見直してください。
ベテラン登山者は、ペットボトルのラベルもはずすそうです。
靴下も数日間、はきっぱなしです(だから、匂わない登山用抗菌靴下が売っている)。
ガイドさんは初心者に、「鍵のキーホルダーは取ってくださいね」と言います。
一説によると、富士山の登頂率はわずか60%。
荷物を減らして富士登山を成功させるための、リアルな体験談をお伝えします。
1.水はペットボトル1本でよい
出発前、私は500mlを2本背負っていく予定でしたが、当日はガイドさんのアドバイスに従って、1本のみにしました。
水は一番重たい物。女子は500mlか、せいぜい1リットルが限度。
500ml というと少々不安に感じますが、一番登山者が多い吉田ルートの場合、7合目以降は山小屋が要塞のように連なっているので、いつでも水を買うことができます。
そりゃ、1本300円とか400円とか、富士山で買うとちょっと高いですよ。でもザックの重さを300円で買うと思えば、安いものです。
命をお金で買うという発想は、登山では必要なことです(特に初心者は)。
水は血液を循環させるので、高山病対策になります。
山小屋到着までに600ml~1リットルは飲んだ方がいいそうですが、吉田ルートなら「無くなりそうなときに買う」で大丈夫です。
2.行動食はとても大切
登山には、「シャリバテ」という言葉があります。いわゆるエネルギー不足な状態。
私の登山経験は、一番高い山は山形の月山でした。あとは御岳山とか大山とかの低山。
正直、行動食はあまり必要なかった。
でも富士山は全く違いました。お腹もすくし、何より体がエネルギーを要求する。
実は、ガイドさんから、あまり多く持ってきすぎないようにアドバイスがありました。荷物になるし、意外と食べる機会は少ないですよと。
でも、しっかり食べましたよ。むしろ足りなかった。
私が持って行ったのは、
黒糖饅頭1個、バームクーヘン1個、ミックスナッツ、ドライフルーツ6~7枚(マンゴーとパイナップル)、ハッピーターン8枚くらい、 手に溶けないチョコレート『ベイク』 、塩飴チャージタブレット、普通の飴。
正直、足りなかった。
まさか本当に山で黒糖饅頭を食べるとは思っていなかったです。「山であんこの饅頭?ナイナイ」と思っていました。
でも7合目くらいで食べて、ものすごくおいしかった。いかにエネルギーを使っているか、ですね。
次回は、もう少し多めに持っていくと思います。
でも水と同様に、行動食も山小屋で買えるので、必要な分だけ買い足すのが良いと思います。お菓子やパンなどを購入できます(吉田ルートの場合)。
黒糖饅頭の他においしかったなーと思ったのが、マンゴーのドライフルーツ。
ネットを見ると、マンゴーのドライフルーツ、推す人が多いですね。甘酸っぱさが食べやすいからだと思います。
私は予め一口大に切って、ナッツ類、ドライフルーツ、チョコレート『ベイク』(袋から出して)を、同じジップロックに入れました(1日目用と2日目用に、2袋)。
一緒に入れておくと、塩系と甘系を交互に食べられて、満足感高いです。
羊羹を推す人も多いですが、小さくても重たいのでやめました。
ちなみに私が泊まった山小屋「白雲荘」さんでは、朝食として、
クロワッサン、水ようかん、小さめドーナッツ、カロリーメイトもどき、チョコレート1かけ、魚肉ソーセージ1本、そしてお水を袋詰めで頂きました。
朝クロワッサン1つでは足りなかったので、次回は朝食用にパンを1つ持参しようと思います。
あ、チョコレートやパンは、エネルギー補給のために食べるのですから、「低糖質」系はNG ですよ。
3.塩分チャージ
カバヤ食品の「塩分チャージタブレット」というのを10粒くらい持っていきました。
塩分、クエン酸、カリウムが補給できます。
夏の登山はとにかく汗をかくので、塩分補給は絶対必要。
意識して口に入れるようにしていましたが、本当においしく感じました。
スポーツドリンクを持っていく人もいるようですが、飲料は重たいので、初心者が持っていくならやはり水。
塩分チャージはタブレットがお勧めです。
ツアーで行ったとき、7合目で足をつった人がいました。
足がつるのはミネラルや塩分不足といいます。おさまっても、しばらくはふくらはぎが痛くて歩けないこともある。
これは辛い。。。
足に故障が出ると、登山は続けられません。
いつもより意識して、塩分やミネラルを補給しましょう。
4.ゼリー飲料(アミノバイタルなど)
『アミノバイタル ゼリードリンク SUPER SPORTS』という、運動前や運動中にエネルギーを補給するタイプのものを持っていきました。
実は最初は、ゼリー飲料はあきらめていました。理由は重たいから。
ドラッグストアに並ぶゼリー類を手にしたときは、「無理っ!」と思いました。1袋180g。ずしっと重たい。
なので、この製品を見つけたときは小躍りしましたよ。1袋100g。
迷わず決めました(割高なところは目をつぶる)。
それでも2個が限度でしたけど。
私は、水はザックに入れて、ゼリーはポケットに入れました。
短い休憩でザックをおろす余裕がないとき、ゼリー飲料で水分とエネルギーを一緒に補給することができて、重宝しました。
ただ1つ、女性は注意することが!
ゼリー飲料は、山小屋で寝る前には飲まない方がいいです。
翌朝の登頂のために、アミノ酸やプロテイン補給しようと考えて、寝る前にゼリー飲料を飲んでしまうと、目覚めたとき、びっくりするほど顔がむくんでいる可能性が高いです(少なくとも私の場合は、まぶたがとんでもないことに・・・)。
ゼリーは水分だからね。お気をつけください。
<続く>