鎌倉幕府の第三代執権・北条泰時が制定した武家社会最初の法律が、御成敗式目です。その第1条は神様について書かれています。
「神は人の敬によりて威を増し 人は神の徳によりて運を添う」
神様は、人が祭祀を行ったりお参りしたりして敬うからこそ、神威を増していくものである。そして人は、威力を増した神様のすばらしいご神徳をいただくことで運を上げていく、という意味です。
神様は、人が敬うからますますパワーが強くなる。
パワースポットとは、元来そういう成り立ちなんだと思います。
時々、人気が出て大行列になるパワースポットがありますが、パワーが落ちていってるらしいよ、という話しを聞きませんか。
これは、そこに集まる人たちがそこにあるものを「敬う」のではなく、「願い事をする」から、神威が失われていくのではないかと思っています。
神様に対して最も失礼なのは、「不敬」をすることです。
はじめに感謝なき願いは、聞き入れられることはないと思っています。
日本最初の武家の法律の第1条は、武士の仕事についてではなく、神様に関することです。
神社を修理し祭りごとを行いなさい、と書かれています。
第2条は寺や僧侶に関することで、武士のことは第3条です。
神を敬うことがどんなに大切か、この時代の祭りごとの最高位、あるいは中心にいる人々が、目に見えないものをいかに大切にしていたかが、わかります。